アーカイブ
Archive

人事労務かわら版 令和7年1月号

令和7年の次期年金制度改正に向け、現在までに明らかにされた主な内容をご説明します。

※被用者保険の適用拡大

現状

・国民の価値観やライフスタイルが多様化し、短時間労働をはじめとした様々な雇用形態が広がる中、老後の保障や万が一の場合に備えたセーフティネットを拡充する観点からも、被用者保険の適用拡大を進めることが重要である。

・労働者の勤務先や働き方、希望によって被用者保険の適用の有無が変わることは不合理である。

適用事業所の規模要件を撤廃するほか、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所における非適用業種も解消し、強制適用とする。

※いわゆる「年収の壁」対応 と 第3号被保険者

現状

・「年収の壁」として、第3号被保険者が働く中で、収入や労働時間が増加することで、本人負担の保険料が発生することによる手取りの減少を避けるため就業調整が行われているとの指摘がある

保険料負担は労使折半が原則であるが、健康保険に関しては、健康保険組合の特例として保険料の負担割合を被保険者の利益になるように変更できる。この特例を参考に、厚生年金も含めて特例を設けるもので労使の合意の下、被保険者の負担割合を引き下げることができるようにする。一方、一部の標準報酬月額の者に限って特例を認める是非や、他の社会保険制度との関係の整理などが課題とされている。

※在職老齢年金制度の見直し

公的年金においては、保険料を拠出した者に対し、それに見合う給付を行うことが原則であるが、平成12年の年金制度改正において、賃金と年金の合計額が現役世代の賃金収入を上回る者は、在職老齢年金制度による支給停止の対象とるすることとなった。

※子のない配偶者に対する遺族年金制度見直し

男女ともに5年間の有期給付として、制度上の年齢要件に係る男女差などを解消する。新たに60歳未満の夫を有期給付の対象にするとともに、子のない妻に対する有期給付の対象年齢を40歳未満に引き上げた上で、相当程度の期間をかけて段階的に60歳未満まで引き上げていく。また、給付の拡充等も図る。

お気軽にお問い合わせください

03-5322-3592

受付時間 9:30-17:30 [土・日・祝日を除く]